現代の主なサッカースタイルには、バルセロナやスペイン代表の代名詞といえる「ポゼッションサッカー」と、レアルマドリードや現在のブラジル代表、ハリルジャパンが目指す縦に早い「カウンターサッカー」があります。
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ポゼッションサッカーとは?
ポゼッションサッカーとは、ボール支配率を上げて、できるだけボールを保持して試合の主導権を握るというサッカーです。
ポゼッションサッカーの代表的なバルセロナの試合を見てみると、ボール支配率が60%を超えることも珍しくはありません。
バルセロナやスペイン代表のティキタカは有名です。
ポゼッションサッカーの目的は?
ポゼッションサッカーの目的① 相手にボールを持たせない
サッカーはゴールを決められなければ負けることはありません。
つまり、相手がボールを持たないという事はシュートも打てないので、ゴールを決められる心配はありません。
ポゼッションサッカーの目的② 自チームのスタミナ温存
常に自分たちのペースでボールを回せるということは、自チームの選手たちのスタミナをコントロールすることができます。
逆に相手は、常にボールを追い回す形となるため、スタミナが切れやすくなります。
相手チームの足が止まれば自動的にスペースができて、試合が進むにつれてチャンスが増えてきます。
そして、最終的には大差の圧倒的な試合となることも多々あります。
ポゼッションサッカーで重要なポジション
ポゼッションサッカーにおいて重要なポジションは全ポジションです。
全ての選手が、ボールを止める、蹴ると言ったサッカーの基本的な動作を高レベルで行うことが必要になります。
ポゼッションサッカーでは全てのポジションの選手が重要ですが、その中でも特に重要なのがセンターラインを構成する、ゴールキーパー、センターバック、ボランチ(アンカー)、セントラルミッドフィルダー、センターフォワードの選手たちです。
ペナルティエリア外の仕事もするゴールキーパー
ゴールキーパーに関しては、ヨーロッパではノイアー選手、日本では浦和レッズの西川選手が時にはペナルティエリアの外まで飛び出してボール回しに参加したりディフェンスの働きをしたりします。
中盤の選手が起用されることもあるセンターバック
センターバックに関しては、高さと身体の強さよりもボールを刈り取ったあとにショートパスで繋ぐことが必要とされ、バルセロナのマスチェラーノ選手のように本来中盤の選手がセンターバック起用されていたりします。
特に重要なセンターラインの選手たち
中盤の選手は特に大変です。ボールを早めに囲んで取り返した後にショートパスで再度攻撃を組み立てなおすことはもちろん、流動的に動いてボール回しを行うため、スタミナも必要になります。
技術が優先されるセンターフォワード
センターフォワードは、昔ながらの9番タイプ(ストライカータイプ)よりも、小柄でも技術の優れた選手が重宝される傾向にあります。バルセロナでメッシ選手がセンターフォワードを務めたり、セスク選手がセンターフォワードで起用されたように、センターフォワードもボール回しに参加して試合づくりをします。
時には0トップシステムと言われることもあります。
ポゼッションサッカーに必要なサッカースキル
ポゼッションサッカーは戦術的な決まり事や、チームのリズムに慣れる必要があります。
そのため、ポゼッションサッカーをウリにするクラブチームではユース世代から同じフォーメーションで同じサッカースタイルを指導する一貫教育を行うことが多いです。
ポゼッションサッカーでは、ボールの扱うテクニックや高度な戦術理解力が必要になります。
ポゼッションサッカーのデメリット バルセロナ育ちの選手は他チームで活躍できない?
ポゼッションサッカーをサッカースタイルとしているチームはユース世代からそのチーム独自の戦術を指導するため、他のチームに移籍した時に戦術を実践できずに活躍できない傾向が強いです。
世界最高のチームの一つであるバルセロナで育った選手が他チームに移籍したが、まったく活躍できずに埋没してしまうのはそのためです。
まとめ
ポゼッションサッカーは、はまれば観客を楽しませることができる見ていて楽しいサッカーを行うことができます。
しかし、ロシアワールドカップの最終予選でオーストラリア代表が苦戦したように、ボールを回すことを意識しすぎて自滅するという側面も持っています。
多くの指導者がバルセロナやスペイン代表を参考にするように、世界中で人気のサッカースタイルですが、実践するのは難しいと言えるでしょう。