2018年のJリーグで最も興味深いサッカーをしていたのは横浜F・マリノスだったのではないでしょうか?
今回はそんな横浜F・マリノスのサッカースタイルや特徴について書いてみようと思います。
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Contents
横浜F・マリノスの新型サッカースタイル
・ゴールキーパーの極端に多いパス本数
・偽サイドバック
2018年はオーストラリア代表にポゼッションサッカーを根付かせようとしたポステコグルー監督が就任し、リーグ開幕前からポゼッションスタイルを目指すと予想できたが、ただのポゼッションスタイルにとどまらずいくつもの特徴的な戦術を垣間見ることができました。
極端に高いポジションをとるゴールキーパー
2018年の横浜F・マリノスのゴールキーパーは極端に高いポジションをとることが特徴のひとつでした。
これは全体的に高めのポジションをとるスタイルでディフェンスの裏のスペースをカバーする狙いもありましたが、この特徴をついたチームにはゴールキーパーの頭上を狙ったボールでゴールを奪われることもありました。
極端に多いゴールキーパーのパス本数
ゴールキーパーの1試合当たりの平均パス本数 | ||
チーム名 | 主なGK | 平均パス本数 |
横浜F・マリノス | 飯倉大樹 | 約40本 |
浦和レッズ | 西川周作 | 約24本 |
川崎フロンターレ | チョン・ソンリョン | 約12本 |
鹿島アントラーズ | クォン・スンテ | 約16本 |
名古屋グランパス | ランゲラック | 約18本 |
ガンバ大阪 | 東口順昭 | 約20本 |
横浜F・マリノスのゴールキーパーは極端に高いポジションをとりポゼッションに参加するため、1試合当たりのパス本数が極端に多い本数を記録するという特徴があります。
正守護神を務めた飯倉大樹選手は開幕当初はその高いポジションをつかれ頭上を越される悔しいゴールを決められてしまいましたが、試合を重ねるごとにポジションを微調整しキーパー参加型のポゼッションスタイルが作られていきました。
神出鬼没な偽サイドバック
キーパーに続いて特徴的なのが主に山中亮輔選手が務めた横浜Fマリノスの偽サイドバック戦術
なぜそこにお前がいる!?と相手が驚くようなポジションをとる横浜Fマリノスの左サイドバックは
・サイドバックなのにサイドにいない⇒中(ボランチの位置)で組み立てに参加中
・じゃあ中をケアだ!⇒普通のサイドバックの動きになる
・やっぱりサイドか!⇒ウイングを内側から追い越しカットイン!
・ゴール前でチャンス⇒いつの間にかボランチの位置からミドルシュートでゴールを奪う
など相手ディフェンス陣にとってとても厄介な存在です。
従来の横浜Fマリノスのサッカースタイル
・カウンターサッカー
・セットプレー
従来の横浜F・マリノスのサッカースタイルのイメージと言えば失点が少ない堅守速攻型のイメージだったのではないでしょうか?
得点と言えばカウンターからの速攻や中村俊輔選手が代表的なセットプレーといったヨーロッパサッカーに例えるならモウリーニョチェルシーのようだったと思います。
現在はまさに真逆のサッカースタイルを構築していると言えるでしょう。
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2019年Jリーグへの期待
・得点数Jリーグトップ
・マンチェスターシティ並みの相手を圧倒するサッカー
戦術がはまったときの攻撃力
2018年に横浜F・マリノスの戦術がはまって手がつけられない状態になった試合が何試合(第16節ベガルタ仙台戦など)かありましたが、そのときの攻撃力は2018年優勝の川崎フロンターレ以上の攻撃の迫力を感じました。
2019年はスタイルや戦術の熟成により相手を圧倒する試合が増えると期待します。
得点数Jリーグトップ
2018年Jリーグの横浜F・マリノスの得点数は2位タイでした。
順位は12位と残念な結果でしたが、攻撃力に関しては優勝の川崎フロンターレに負けていないよいうことでしょう。
2019年は得点数トップとなることを期待しています。
マンチェスターシティ並みの相手を圧倒するサッカー
横浜F・マリノスはサッカー事業グループのシティ・フットボール・グループとのつなががりで、プレミアリーグのマンチェスターシティとも深い関係があります。
マンチェスターシティと言えば近年、上位陣の実力が拮抗しているプレミアリーグでも早々に優勝を決めてしまうくらいの圧倒的な実力を誇ります。
横浜F・マリノスはまだそのスタイルや戦術が成熟していないとは言え、そのスタイルや戦術が成熟したときにはマンチェスターシティのように相手を圧倒するサッカーを展開することでしょう。
2019年Jリーグへの不安
・少数精鋭によるスタミナ切れ
・失点数リーグトップ
サッカースタイルが丸裸にされる
2019年のJリーグへの不安は横浜Fマリノスのスタイルが他チームに研究され丸裸にされてしまう可能性があります。
データが豊富な現在のサッカー界では相手の弱点はたった1試合でも解明されてしまいますが、2019年はデータを超えたサッカーを展開できるか?
もしできなければ降格の可能性もあります。
少数精鋭によるスタミナ切れ
横浜F・マリノスのサッカーは非常に特徴的であるために、替えの効かないポジションがいくつかあります(例:ゴールキーパー、左サイドバック)が、長丁場のリーグ戦でスタミナ切れによるパフォーマンスと結果の低迷という不安があります。
少数精鋭はスタイルや戦術の成熟はできますが、緊急時に対応できる人員が不足するというデメリットもあるのです。
失点数リーグトップ
2018年のJリーグでの横浜F・マリノスの失点数はリーグ3位(56失点)でした。
得点数はリーグ2位(56得点)でも失点数が多く得失点差が0では順位が上がらないのは当然でしょう。
ハイリスクハイリターンの戦術によるハイリスクのみを受けて万が一失点数がリーグ1位になるようであれば降格争いに巻き込まれる可能性は十分にあります。